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顧客満足って何?

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     息子が近くのスーパーにアルバイトに出ています。
     たまたま見たクレームの文書がありました。
     文面の最後は「二度と来ません!」です。

     概要はスーパーに来た親子連れ。子供が具合を悪くし
     レジ横で吐いてしまった。

     おろおろと母親は処理をしていたが、だれも従業員は声もかけず、
     脇を通り過ぎるものもあった。

     汚してしまったのは悪いけれど、
     あまりに酷い。この事はネットを通じて伝えられる限り伝えていく。
     というものでした。

     具合が悪い子を連れまわした母親も悪いかもしれません。
     吐くなんて食品を扱う店ではとうてい許せない事かもしれない。

     けれども対応があまりに悪かった事に激怒。
     駆け寄って、大丈夫ですか?

     とか汚したものを拭くなどの協力があったら、
     きっと母親も申し訳なかったという気持と助けてもらったような感謝
     の気持が起きたように思いました。

     そんな事件を掲示板に紙をピンで留めただけの報連相。
     従業員のほとんどがアルバイトなのに、
     アルバイトの子に伝わるような発表もなかったとの事。

     「ここの店は危ない。」と思いました。経営のレベルで。
     
     以前この店で、私は疲れ果て買い物のカートの上に体を伏せて
     ぐったりとした事があります。そこへ従業員が「大丈夫ですか?」と
     一言声をかけてくれたことを思い出しました。

     活きる気力を失うくらいの状況だったので、すごく嬉しい気持でした。
     ほんの少しの顧客サービス。

     反対側から言えば親がいけない。
     吐くなんてとんでもない事かもしれないけれど。
     自分がその立場だったら、どんなに辛かっただろうにと思います。

     息子にお前が見たらどうするか?と聞きました。
     すると、ふきんか何か持って「大丈夫ですか?」と寄って行くと
     言いました。

     汚いだろう?と聞くと、そう思うけど口には出さないよ。
     おお。そうか。良く分かっているなと少し安心しました。

     普通に道端で苦しんでいる人がいたとしても、それは助けるでしょう。
     声をかけるでしょう。救急車を呼ぶかもしれない。

     ましてや店に来たお客様なんだから、
     心配してあげてもいいんじゃないかと思いました。

     なんでもないような事ですぐクレームを出すお客様に
     飽き飽きする従業員。

     一方で顧客満足を連呼する上層部。
     物凄いギャップを感じました。

     恐らくこの事を直に経営陣が知ったら激怒するでしょう。
     気づかずにいた従業員にもですが、そのクレームにバイトも何も
     掲示板にピンで止める報連相で済ませてしまった。

     そのクレームの文書には
     「二度と行かないし、返事を貰う必要もない。
     ここまで書いてもきっと何もしないでしょうけど!
     この事は、あらゆるネットワークを通じて伝えていく。」

     と書いてあったそうです。
     その横の感謝の言葉のボードには何もありません。

     店の信用はこういった末端の小さなとところから崩れていくのでは
     と思います。
     よくあるパターン。きっとどこかで同じような事が起こっている。

     一方で懸命に店をつくる従業員。その努力を見事に打ち砕く事件。
     早く気づいてもらいたいと思います。
     
    hasemasako * 気づいた事 * 10:49 * comments(4) * trackbacks(0) * - -

    コメント

    こんにちは。
    長谷です。

    一声かけてあげられたら、人のモチベーションは格段に上がると思います。

    一声かけて嫌がる人がいたら、言います。
    だったら心配させるように歩くなよ。うずくまるなよ。

    だれだって、生きていれば心配しているんだよ。
    人間いいときばかりじゃないからね。
    Comment by 長谷真子 @ 2007/05/12 10:36 AM
    顧客の短絡的とも見える反応も少し、ひっかかります。
    ゆすりに近いクレーマー程ではありませんが、ネットで非難してやる・・という「脅し」は、捨て台詞のようにも思えます。

    最高の顧客満足を受けられた「信奉者」の対極にある「テロリスト」の典型的見本として、企業は学習すべきでしょう。

    このような最悪の状態になる分岐点は、最高の顧客サービスの機会であることは、長谷さんの見抜いている通りです。

    天国と地獄に振り分ける「分岐点」として、最高の学習材料に出来るでしょう。

    そして、つまらないことにすぐクレームをつける・・と感じる店員には、大事故の前には、多数の微かなトラブルが警報を発していることを教えたいですね。

    この母親も、過去にいくつもの不満を感じていたかもしれません。小さなクレームからもリスクマネージメントは、学習できます。
    Comment by 十亀 @ 2007/05/09 5:03 PM
    コーチ@沖縄市です。
    人の距離感難しくなっていますよね、、コーチは小学生くらいの女の子が泣いているのを見て、結局声をかけられなかった経験あります。
    今の時代は通報されそうで、、(^^;)
     その場にいた訳でもありませんので、状況についてはコメントしませんが、その方はもう2度とこないと書いてますのでフォローのしようもなく、かなしい事とおもいました。
    Comment by コーチ @ 2007/05/08 9:33 AM
    弱った方がいても声もかけない、見ても見ぬふり。お客さまは汚いなあ、迷惑だなあと思い、ある人は「子育てって面倒だ。」などと思ったりする。いろいろな意味で悪循環ですね。スーパーは衛生上の問題もあるし、また他のお客様への配慮ですぐに動くべきだと思うけどなあ。レジにはバックヤードへの連絡ボタンなりがあって、レジの流れがスムーズにいくよう対応がなされているところもありますね。

    母親だって、どう掃除していいかわからないでしょう。お店であればモップなり掃除道具は揃っているはず。迷惑を掛けて申しわけないやら心細いやらで大変だったと思います。連れてこなければならない理由もあったかもしれない。子供は体調が急変することもあるしね。私はその昔、家で吐いてしまってかなりキツくしかられ、それ以降、吐けなくなりました。オトナになって吐けずに苦しみました〜。その子がそうならなければいいなあ、とも思ったり。

    私だったらその親子に声かけて、お店にも声かけちゃうなあ。お店の人も自分から動けないほど忙しく追いまくられているのかもしれない。いずれにしても皆に余裕がないってことかしら。でも私だって先を急いでいたらそれが出来るかどうかわからないけど。今回のことでやはり一声かけていこうと思いました。世の中がそんななら、一人一人が気をつけて声かけあって変えていかれることもあるかもしれないしね。

    そういえば最寄駅でベンチにうずくまる具合悪そうな女子高生に声かけたら迷惑がられたこともありましたが・・・。まあ、何事もなければいいのよね!

    Comment by なぽう @ 2007/05/04 1:28 PM
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